2009年8月、私は夏期休暇を利用して建築家ル・コルビュジェの建築を巡る旅に出かけてきました。
6月に「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の世界遺産登録審査が行われるのに合わせてなのか、今年は「ル・コルビュジエと国立西洋美術館」展(国立西洋美術館)や、コルビュジエの弟子である坂倉準三の巡回展「建築家 坂倉準三」展( 神奈川県立近代美術館、汐留ミュージアム)など、コルビュジエにまつわる展覧会が多く開催されました。 この機会に、あらためてコルビュジエの功績を振り返ろうというムードが高まったのでしょうか。
(残念ながら、コルビュジエがつくった建築群というだけでは、連続性がある資産とは認められないという理由で世界遺産の登録は延期となりました)
さて、私は今回の旅でコルビュジエと関わりの深い5つの場所へ訪れました。
2009年8月23日
【初日】 ラ・トゥーレット修道院訪問
Address:
Couvent de la Tourette
BP105 Eveux 69591 L'Arbresle cedex France
(1959年竣工)
大きな地図で見る
朝7時54分にLYON駅を出発。TGVに乗って朝日に輝くフランスの村むらを眺めながら、いよいよコルビュジエの建築を巡る旅がスタートです。

朝7時54分、LYON駅から高速鉄道TGVに乗ってLYON PART-DIEU駅へ
TGVとメトロを乗り継いでGEOGE DE LOUPE駅に到着。駅からはL'ARBRESLE行きの臨時バスで移動です。
できれば、L'ARBRESLEに着く前に荷物を預けて身軽になったほうがいいでしょう。
なぜなら、L'ARBRESLEから修道院まで約40分ほど歩くことになるからです。
道路沿いにあるサインにしたがって、閑静な住宅街が並ぶ大通り沿いを歩いていきます。
大通りをそれて住宅街に入れば煉瓦造りのかわいい家や、乗馬を楽しむ人、牧場など、なんとも平和な光景が広がります。

L'ARBRESLE駅

のどかな街並みを見ながらなら徒歩40分の道のりも短い

大通りに沿って歩いていくと見えてくる「ラトゥーレット修道院はこちら」と書かれたサインとマリア像
マリア像と修道院の看板を目印に曲がり、さらに10分ほど坂を上っていけば、ようやくラ・トゥーレット修道院の入り口です。この坂の先に、ラ・トゥーレット修道院があるのです。

長い坂を越え、ようやく見えてきたラ・ルーレット修道院
コルビュジエは生涯に3つの宗教建築を設計しています。ロンシャン礼拝堂(1955年)、資金上の理由で長い間工事が中断していたフィルミニ教会(1954年ー2006年)、そしてラ・トゥーレット修道院(1956年)です。
先の2つは有機的でやわらかい線を持つ外観なのですが、ラ・トゥーレット修道院は、幾何学的な要素が目立ちます。
「祈りの場」である礼拝堂とは異なり、「修道する場」にふさわしく、厳格で少し固い印象となっています。

左側の窓がない建物が教会堂で、大きな窓が並ぶところが僧房や食堂などがある。訪れた時は工事中で周辺を見てまわることしかできなかった

ラ・トゥーレット修道院の特長である オンデュラトワール
ラ・トゥーレット修道院には特長的な「オンデュラトワール」(波動式)と呼ばれる窓割りデザインが施されています。これによってコンクリートの塊のよう な建物に、音楽的な軽やかさやリズムが加わりました。
ラ・トゥーレット修道院の窓は、ロンシャン教会の窓に見られる不規則で感覚的な配置とは違い、規則性が感じられます。
どのような規則性があるのかは、はっきりとわかりませんが、 多忙なコルビュジエに代わってこのプロジェクトの設計を任されていたヤニス・クセナキスの存在に理由がありそうです。
建築家であり音楽家でもあるヤニス・クセナキスは、数学の理論を用いた作曲活動を行っており、70年代にはグラフや絵を描いて音に変換するというUPICというコンピュータもつくっています。オンデュラトワールは、そんな彼の影響が強いのではないでしょうか。

中庭側から見た修道院。窓の配置は抽象絵画のような美しさが感じられる
コルビュジエは1926年に「近代建築の5原則」を提唱しています。
1.ピロティ
2.屋上庭園
3.自由な平面
4.水平に続く連続する窓
5.自由な立面(ファサード)
この5つの要素がラ・トゥーレット修道院でも随所で確認できます。

修道院は、 丘の地形に沿って傾斜面に建っている
工事中で十分見学できなかったことと、宿泊できなかったことは残念でしたが(以前は、使用されてない僧房に宿泊することができたようです)、周辺の様子や気候、立地や大きさなど、現地で確かめることができて満足でした。
次回は、マルセイユに移動し、私も宿泊した集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」についてお話します。

修道院からは、L'ARBRESLEの町が一望できる
《ラ・トゥーレット修道院への行き方》
LYON 駅(PARIS GARE LYON)
↓ TGVで2時間
LYON PART-DIEU駅
↓ メトロ
GEOGE DE LOUP駅
↓ 電車運休のためバスを利用(約1時間)
L'ARBRESLE
↓ 徒歩30分程度
修道院の入り口を示すサインとマリア像
↓ 徒歩10分
ラ・トゥーレット修道院
◎南フランスを旅行するのにオススメの一冊
『地球の歩き方 南仏プロヴァンス コート・ダジュール&モナコ 2009~2010』
(ダイヤモンド社 刊)
(残念ながら、コルビュジエがつくった建築群というだけでは、連続性がある資産とは認められないという理由で世界遺産の登録は延期となりました)
さて、私は今回の旅でコルビュジエと関わりの深い5つの場所へ訪れました。
- ラ・トゥーレット修道院(リヨン/仏)
- ユニテ・ダビタシオン(マルセイユ/仏)
- 休暇小屋(カップマルタン/仏)
- コルビュジエのお墓(カップマルタン/仏)
- サヴォア邸(パリ/仏)
2009年8月23日
【初日】 ラ・トゥーレット修道院訪問
Address:
Couvent de la Tourette
BP105 Eveux 69591 L'Arbresle cedex France
(1959年竣工)
大きな地図で見る
朝7時54分にLYON駅を出発。TGVに乗って朝日に輝くフランスの村むらを眺めながら、いよいよコルビュジエの建築を巡る旅がスタートです。
朝7時54分、LYON駅から高速鉄道TGVに乗ってLYON PART-DIEU駅へ
TGVとメトロを乗り継いでGEOGE DE LOUPE駅に到着。駅からはL'ARBRESLE行きの臨時バスで移動です。
できれば、L'ARBRESLEに着く前に荷物を預けて身軽になったほうがいいでしょう。
なぜなら、L'ARBRESLEから修道院まで約40分ほど歩くことになるからです。
道路沿いにあるサインにしたがって、閑静な住宅街が並ぶ大通り沿いを歩いていきます。
大通りをそれて住宅街に入れば煉瓦造りのかわいい家や、乗馬を楽しむ人、牧場など、なんとも平和な光景が広がります。
L'ARBRESLE駅
のどかな街並みを見ながらなら徒歩40分の道のりも短い
大通りに沿って歩いていくと見えてくる「ラトゥーレット修道院はこちら」と書かれたサインとマリア像
マリア像と修道院の看板を目印に曲がり、さらに10分ほど坂を上っていけば、ようやくラ・トゥーレット修道院の入り口です。この坂の先に、ラ・トゥーレット修道院があるのです。
長い坂を越え、ようやく見えてきたラ・ルーレット修道院
コルビュジエは生涯に3つの宗教建築を設計しています。ロンシャン礼拝堂(1955年)、資金上の理由で長い間工事が中断していたフィルミニ教会(1954年ー2006年)、そしてラ・トゥーレット修道院(1956年)です。
先の2つは有機的でやわらかい線を持つ外観なのですが、ラ・トゥーレット修道院は、幾何学的な要素が目立ちます。
「祈りの場」である礼拝堂とは異なり、「修道する場」にふさわしく、厳格で少し固い印象となっています。
左側の窓がない建物が教会堂で、大きな窓が並ぶところが僧房や食堂などがある。訪れた時は工事中で周辺を見てまわることしかできなかった
ラ・トゥーレット修道院の特長である オンデュラトワール
ラ・トゥーレット修道院には特長的な「オンデュラトワール」(波動式)と呼ばれる窓割りデザインが施されています。これによってコンクリートの塊のよう な建物に、音楽的な軽やかさやリズムが加わりました。
ラ・トゥーレット修道院の窓は、ロンシャン教会の窓に見られる不規則で感覚的な配置とは違い、規則性が感じられます。
どのような規則性があるのかは、はっきりとわかりませんが、 多忙なコルビュジエに代わってこのプロジェクトの設計を任されていたヤニス・クセナキスの存在に理由がありそうです。
建築家であり音楽家でもあるヤニス・クセナキスは、数学の理論を用いた作曲活動を行っており、70年代にはグラフや絵を描いて音に変換するというUPICというコンピュータもつくっています。オンデュラトワールは、そんな彼の影響が強いのではないでしょうか。
中庭側から見た修道院。窓の配置は抽象絵画のような美しさが感じられる
コルビュジエは1926年に「近代建築の5原則」を提唱しています。
1.ピロティ
2.屋上庭園
3.自由な平面
4.水平に続く連続する窓
5.自由な立面(ファサード)
この5つの要素がラ・トゥーレット修道院でも随所で確認できます。
修道院は、 丘の地形に沿って傾斜面に建っている
工事中で十分見学できなかったことと、宿泊できなかったことは残念でしたが(以前は、使用されてない僧房に宿泊することができたようです)、周辺の様子や気候、立地や大きさなど、現地で確かめることができて満足でした。
次回は、マルセイユに移動し、私も宿泊した集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」についてお話します。
修道院からは、L'ARBRESLEの町が一望できる
《ラ・トゥーレット修道院への行き方》
LYON 駅(PARIS GARE LYON)
↓ TGVで2時間
LYON PART-DIEU駅
↓ メトロ
GEOGE DE LOUP駅
↓ 電車運休のためバスを利用(約1時間)
L'ARBRESLE
↓ 徒歩30分程度
修道院の入り口を示すサインとマリア像
↓ 徒歩10分
ラ・トゥーレット修道院
◎南フランスを旅行するのにオススメの一冊
『地球の歩き方 南仏プロヴァンス コート・ダジュール&モナコ 2009~2010』
(ダイヤモンド社 刊)
